大腸ポリープ

大腸ポリープとは


腸の内側にいぼ状に飛び出た病変を総称して、ポリープと言います。通常は良性のことを指し、約80%は腺管腺腫と呼ばれるポリープです。腺管腺腫はがんと関係が深いと言われていて、実際、腺管腺腫とがんがミックスしていることがよく経験されます。ポリープが大きくなるに従い、がんの合併が多くなります。5mm以下では0.2%前後、6mm以上になると、数%がんの出現があります。(10mm以上で7~8%)。

 

ポリープの中には、あまり盛り上がらず、地を這うように広がる物や、むしろ凹んでいる物も数多く見出されるようになりました。その中には小病変にもかかわらず、がん例が存在することも明らかになっています。がんや大きなポリープは一般に表面が脆く、出血しやすいと言われています。そこで、健康診断や人間ドックにおいては、大腸がんやポリープのチェックのために、便の中に血液が混入していないかどうかを調べること(便潜血反応と言います)があります。

 

便潜血反応は出血していないと陽性になりません。たとえ出血していたとしてもごく微量であったり、採取した便にたまたま血液がない場合は、病変があるにもかかわらず、便潜血反応が陰性となる場合があります。私が最も恐れることは、検便をやったその結果が何でもなかったので、自分には大腸がんあるいは大腸ポリープはないと思いこんでしまうことです。大腸内視鏡検査は、大きな病変はもちろんのこと、微小がんや早期がんの発見に威力を発揮する精密な検査法です。さらに他の検査法との最大の違いは、発見したポリープなどをお腹の手術をすることなく切除できる点です。

 

がんやポリープの症状としては、血便にまつわるエピソードが多いのですが、10mm前後のポリープ、早期がん例ではほとんど症状はありません。便潜血反応陽性の方はもちろんのこと、たとえ上記の理由で便潜血反応陰性の方も、大腸内視鏡検査をお受けになることをお勧めします。